先日、ある経営者にお会いした。論理的でないと周りから御叱りを受けていて悩んでいるという。
経営者或いは企業者において直観の重要性は古くから指摘されている。1979年「経営構想力」大河内暁男は企業者の能力の第一は直観と指摘している。
昨今(2009年)では、Gerd Gigerenzerは“不確実性が高い環境においては、直観の方が論理思考より正確な将来予測をする。”と結論づけている。
Effectuationにおいても同様のことが指摘されている。
そもそも過去に例のないことを考えるのだから、論理的に詰めたらやめた方が良いということになる。しかし、過去に例のあることをやった瞬間に差別性は無く、コモディティ化する。
そんな話をしたら、「こんなに気持ちがいい日は久しぶりだ」といって玄関まで見送っていただいた。
若い人は論理的に考えた方がよいが、年長者は直観に頼って良い。脳のメカニズムでもそのようだ。
(宮川 雅明)